リクガメの飼い方
トップページ > リクガメを知ろう > リクガメの体の仕組み

リクガメの体の仕組み

リクガメの知られざる能力と、陸上で暮らすのに適した体の仕組みを知ろう。

優れている運動神経

歩くのが遅い動物の代表選手と思われているカメ。ところが飼い始めてみると、思ってたより早く歩くのにびっくりする人もいます。ペットショップで購入して家に連れて帰ってくるまではカメも警戒してあまり動きませんが、慣れてくると活発に動き回り、その速さは想像以上。だからお気に入りのリクガメを飼い始めても、ちょっと目を離したすきに脱走されちゃった、なんてことも。スタミナや根気はすごいからそうなると捕まえるのはなかなか大変ですよ。舐めちゃダメです。

またリクガメは空間認知能力が高いと言われています。つまり方向音痴ではないということで、エサの場所、日光浴できる場所はもちろん、家の間取り、出入り口もすぐに覚えます。自分の家以外でも、1回行ったことのある場所なら次に行った時にどこに何があるかたいてい覚えてるんですよ。

脱げない甲羅の仕組み

リクガメの甲羅は、外敵から身を守るためとても頑丈です。なんといってもその甲羅のおかげで恐竜時代から生き延びてきたんですから。実は甲羅があるのは背中側だけじゃない。お腹の側にも甲羅があって、手足や首、尾などがうまく収まるんです。

そんなカメの甲羅は、皮膚や骨が変化して出来たもの。もちろん脱げません。背骨と肋骨が背中側の甲羅に組み込まれていて、血液もちゃんと流れています。ですからヒビが入ったり傷ついたりすると痛みを感じるはず。私たちだって骨折したら痛いですよね。

成長途中に、甲羅の境目に爪のようなものができる時があるけど、切ったり傷つけたりしてはいけません。そして健康な甲羅の成長と維持に必要なのがカルシウム。エサに気をつけて不足しないようにしてあげましょう。

水棲ガメとリクガメ

カメには、水辺に生息する水棲ガメと、陸に住むリクガメがいます。水棲ガメでは、海に棲んでいるウミガメや、川や沼、池などに棲んでいるクサガメ、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)などが有名ですね。それに対してリクガメが棲んでいるのは、乾燥した、あるいは高温多湿の陸上。体もその環境に適したつくりになっていて、食べるものも水棲ガメとは全然違うんです。

たとえば甲羅。水棲ガメの甲羅はやや平たく滑らかで、水中で泳ぐときに水の抵抗を受けにくい作りになってます。一方、リクガメの甲羅は大きく盛り上がっていて、ゴツゴツしてますね。外敵の多い陸上でリクガメが身を守るためには、このようなより頑丈な甲羅が必要だったんです。また、水棲ガメの手足は水かきがあって水をかきやすい形になってるけど、リクガメは大地をつかみやすいどっしりした太短い手足をしています。

カメなのに泳げない?

リクガメは水棲ガメと違って泳げません。甲羅が高く手足に水かきもないし…見るからに泳ぎに適した体じゃないですよね。成長すると重心がますます頭のほうにかかるからバランスを取って浮くのも無理。ひっくり返ると自力で起き上がることも無理なのです。

だから温浴させる時は要注意です。リクガメを温浴させる時は、まず足がしっかり水底についていること、鼻と口がお湯から出ていることを確認しておかないと溺れてしまいます