リクガメの飼い方
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ビルマホシガメ

乱獲を経て保護されるようになったミャンマーのキノコ好きなリクガメ

ビルマホシガメの形態

最大甲長26㎝とされていますが、さらに大型化するようです。オスよりもメスの方が大型になります。背甲はドーム状に盛り上がり、上から見るとやや細長く、背甲の頂部は平坦で、種小名platynota(「平たい背中」の意)の由来になっています。

野生下では孵化直後からある甲板(初生甲板)が盛り上がりません(飼育下では盛り上がる個体もいます)。背甲の色彩は黒や暗褐色で、椎甲板や肋甲板ごとに放射状に灰褐色や黄褐色の斑紋が入ります。この放射状の斑紋が星の様に見えることが、和名や英名(star=星)の由来になっています。

椎甲板や肋甲板に入る放射状の斑紋の数は6本以下(一部で7本になる個体もいます)。縁甲板にはアルファベットの「V」字状に灰褐色や黄褐色の筋模様が2本入ります。 腹甲の色彩は淡黄褐色や灰褐色で、甲板ごとに大型な楔形に黒や暗褐色の斑紋が入ります。

ビルマホシガメの体

頭部は中型で、上顎の先端は三又に分かれています(一尖の個体や尖らない個体もいます)。四肢はやや頑健で、前肢には先端が尖った大型鱗が5~7列で並んでいます。後肢と尾の間には円錐形の小型鱗が並んでいます。

頭部や頸部、四肢、尾の色彩は黄色や黄褐色で、不規則に細かい黒色斑が入っています。顎を覆う角質(嘴)や鼓膜、喉の色彩は褐色や灰褐色です。成体は眼の周囲や頬、頸部背面が黒ずむ傾向があります。

長径5.5㎝、短径㎝の楕円形の卵を産んだ例があります。幼体は縁甲板外縁がやや鋸状に尖っていますが、成長に伴い不明瞭になります。背甲に入る放射状の斑紋の数は成長に伴い増加します。

属、分布、飼育環境

名称 ビルマホシガメ
リクガメ属
分布 ミャンマー中部、西部固有種。南部にも分布していたが絶滅したと考えられています。
甲長 20㎝
飼育環境 多湿

生息地域と卵

主に熱帯モンスーン気候の地域にある森林やその周辺に生息しており、食性は植物食と考えられ、キノコなどを食べます

繁殖形態は卵生で、2月に少数の卵を産んだ例があります。6~7月に孵化した幼体が地表に現れます。生息地の飼育下では10~12月に1回に5~8個の卵を産んだ例があり、年に2回産卵する個体もいます。

ビルマホシガメとの歴史

都市や農地開発、焼畑、放牧による生息地の破壊、食用やペット用の乱獲などにより生息数は激減しています。以前は食用とした後の残骸の甲羅が街中にあり、器として用いられることもありました。

1995年頃から日本に輸入されており、生息地で養殖されたという個体が流通することもあります。また、過去には密輸されることもあり日本やミャンマーで摘発された例もあります。

ミャンマーでは保護施設や飼育下で繁殖したり摘発された個体を野生に返す試みも進められていますが、国立公園内での密猟や保護施設に集めた個体あるいは飼育下繁殖させた個体が盗難された例もあります。2013年にワシントン条約附属書Iに掲載されました。

飼育のポイント

テラリウムで飼育されます。乾燥と低温に弱いためある程度の湿度を保った上でやや高温を維持し、小型の保温用の電球等をケージ内の一部へ照射し局所的に高温の部分を作ります。紫外線を含むフルスペクトルライト等を点灯しますが、強い光を嫌う個体もいるためシェルターなどで隠れ家を作るといいでしょう。

水容器は水に浸かる事を好むため、浅くて出入りがしやすく大型の物を設置します。飼育下では野菜、果実、リクガメ用の配合飼料などにも食べます。餌に対してはカルシウム剤等のサプリメントを振りかけて、栄養価を上げます。野生下では動物質も摂取するが、飼育下で動物質(高タンパク質)の餌を与え過ぎると背甲が甲板ごとに盛り上がってしまうことがあります。