リクガメの飼い方
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フチゾリリクガメ

乾燥した草原や岩場等に生息するため、湿度が高い日本の夏期の飼育がポイント

フチゾリリクガメの形態

背甲は細長く扁平で、後部縁甲板が広がることが和名の由来です。小名marginataは「縁のある」の意で、英名と同義で縁甲板の形状に由来すると思われます。腹甲には3~4対の三角形の斑紋が入ります。後部縁甲板の広がりはオスの方がより特徴的で、幼体は後部縁甲板が広がってはいませんが成長に伴い広がります。

オオフチゾリリクガメは亜種の中でも最大。背甲の斑紋が鮮明なのが特徴的です。ペロポネソスフチゾリリクガメは最大甲長27cm、背甲の斑紋が他のフチゾリリクガメと比べると不鮮明。

属、分布、飼育環境

名称 フチゾリリクガメ
チチュウカイリクガメ属
分布

オオフチゾリリクガメ(T. m. marginata)

アルバニア南部、ギリシャ(ペロポネソス半島南西部を除く)に自然分布。イタリア(サルデーニャ島)に移入。

ペロポネソスフチゾリリクガメ(T. m. weissingeri)

ギリシャ(ペロポネソス半島南西部)
甲長 25~35㎝
飼育環境 やや乾燥気味に

フチゾリリクガメの生態

乾燥した草原や岩場等に生息し、夏季や冬季には休眠をするのが特徴。食性は植物食で植物の葉、花、果実等を食べます。繁殖形態はもちろん卵生で、1回に3~11個の卵を産みます。

人間とフチゾリリクガメ

ペットとして飼育されることがあり日本にも輸入されています。ただ野生個体は生息地では厳重に保護されているため、欧米での繁殖個体のみが流通している模様。

主に基亜種が流通していると思われますが、亜種ペロポネソスフチゾリリクガメが記載されたのが近年のため飼育下での亜種間雑種が流通している可能性もあり、亜種としての特徴が曖昧な個体もいます。

フチゾリリクガメの飼育

自然下で育ったものに比べると、飼育下ではフチがそりにくい傾向にあります。また、カルシウムが不足することによって特徴であるフチがそりにくくなることもあります。フチゾリリクガメを飼うならカルシウムには特に気を使ってあげましょう。

チチュウカイリクガメ属なので日本の気候に近く育てやすいと思われがちですが、フチゾリリクガメは多湿な環境に弱く、湿度の高い日本の夏は苦手。日中の温度は26~30℃、夜間は26℃以上が理想。食事は野菜や野草を中心に与えます。

主に流通するのが繁殖個体のため寄生虫の心配があまりありませんが、多湿な環境に弱く日本では夏季の飼育に注意が必要です。