リクガメの飼い方
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ヘルマンリクガメ

最大35cmで甲羅がドーム状、オスの尾の先端には鉤状の鱗があるヘルマンリクガメ。

ヒガシヘルマンリクガメ

(E. h. boettgeri)最大亜種(大型なのは一部個体群のみとさています)。背甲はやや幅広く、背甲の色彩は褐色がかり、背甲に入る暗色斑との差異が一部で不明瞭です。鼠蹊甲板があります。腹甲の暗色斑は甲板ごとに分かれ、繋がらないか一部でのみ繋がっています。

生息地(分布)は、アルバニア、イタリア(北西部を除く)、ギリシャ西部、クロアチア、スロベニア東部、セルビア、トルコ西部、ブルガリア、マケドニア共和国、ルーマニアです。

ダルマティアヘルマンリクガメ

(E. h. hercegovinensis)最大甲長17.4cmと最小亜種で、鼠蹊甲板がありません。頭部に明色の斑紋が入る個体が多いです。

生息地(分布)は、クロアチア南部、ボスニア・ヘルツェゴビナ南部、モンテネグロです。

ニシヘルマンリクガメ

(E. h. hermanni)最大甲長19cm。背甲は幅広く、背甲の色彩は明色で、背甲に入る暗色斑との差異が明瞭。鼠蹊甲板があります。腹甲の暗色斑が繋がり、太い帯状になっています。頭部に明色の斑紋が入る個体が多いです。

模式標本の産地(模式産地)はフランス、イタリア(北西部およびサルデーニャ島、シチリア島<イタリア全土の個体群を基亜種とする説もあり>)、スペイン東部(バレアレス諸島含む)、フランス南部に分布しています。

属、分布、飼育環境

名称 ヘルマンリクガメ
ヘルマンリクガメ属
分布

ヒガシヘルマンリクガメ(E. h. boettgeri)

アルバニア、イタリア(北西部を除く)、ギリシャ西部、クロアチア、スロベニア東部、セルビア、トルコ西部、ブルガリア、マケドニア共和国、ルーマニア

ダルマティアヘルマンリクガメ(E. h. hercegovinensis)

クロアチア南部、ボスニア・ヘルツェゴビナ南部、モンテネグロ

ニシヘルマンリクガメ(E. h. hermanni)

模式標本の産地(模式産地)はフランス、イタリア(北西部およびサルデーニャ島、シチリア島<イタリア全土の個体群を基亜種とする説もあり>)、スペイン東部(バレアレス諸島含む)、フランス南部
甲長 15~30㎝

ヘルマンリクガメの生態

最大甲長35cm。背甲はドーム状に盛りあがっています。オスの尾の先端には鉤状の鱗があります。

ヘルマンリクガメの生息地

地中海性気候で標高1,500メートル以下にある乾燥した常緑広葉樹林に生息しますが、その周辺にある草原、落葉広葉樹林、灌木林、これらを開発した農耕地などにも生息します。夏季になると主に薄明薄暮時に活動します。冬季になると冬眠しますが、南部個体群では気温の高い日に活動する事もあります。

食性は植物食傾向の強い雑食で、主に草を食べるが木の葉、果実、昆虫、陸棲の貝類などを食べることもあります。

ヘルマンリクガメの繁殖

主に春季に交尾しますが、秋季に交尾することもあります。オスはメスの頭部や頸部、四肢に噛みつく、尾先端の鉤状鱗でメスの尾や総排泄口周辺を引っかく、メスの上に乗って前肢でメスの背甲を叩くなどして交尾を迫ります。

1回に2~12個の卵を産みます。卵は90~120日で孵化します。26℃の環境下では83日、29~34℃の環境下では56~58日で孵化した例があります。

少なくとも亜種ヒガシヘルマンリクガメは性染色体を持たず、発生時の温度によって性別が決定(温度依存性決定)します。31~32℃では雌雄が産まれますが、それより低温(25~30℃)だとオス、高温(33~34℃)だとメスが産まれます。

人間とヘルマンリクガメ

開発による生息地の破壊、害獣としての駆除、ペット用の乱獲などにより生息数は減少しています。農作物を食害する害獣とみなされることもありますが、多くの生息地では法的に保護の対象とされ、採集や輸出が制限されています。

ペットとして飼育されることがあり、日本にも輸入されています。日本国内外の飼育下繁殖個体のみが流通します。亜種ヒガシヘルマンリクガメの飼育下繁殖個体が流通されています。

ヘルマンリクガメの環境

テラリウムで飼育されます。最大亜種である亜種ヒガシヘルマンリクガメでも飼育下で大型化することがまれだが、活動範囲が平面に限られるため底面積の広いケージを用意します。飼育下ではカルシウム含有量の多い葉野菜を与えるか、爬虫類用のカルシウム剤などを添付してカルシウムを摂取させます。

オス同士で争う事は少ないものの、発情したオスは他個体に噛みつくなどして交尾を迫るので場合によっては隔離することです。甲長20㎝ぐらいしかならないので、十分なスペースを確保できなくても飼育出来ます。

ヘルマンリクガメの飼育

性格も人懐っこく、環境もほぼ日本に近い気候のリクガメなので初心者には特に向いているかもしれません。国内繁殖が多いので入手しやすく、飼い方の情報も豊富なので安心です。

日中の温度は、26~30℃、夜間は26℃以上がてきしています。また食事は、繊維質の多い野菜や野草を中心に与えましょう。

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