リクガメの飼い方
トップページ > リクガメの種類と特徴 > エロンガータリクガメ

エロンガータリクガメ

丘陵や低山地にある乾燥した落葉広葉樹林に生息、雨季は活発に活動するリクガメ。

エロンガータの甲羅

背甲はやや扁平で、上から見ると細長く見えます。種小名elongataは細長い背甲に由来し、英名elongatedと同義です。細長い長方形や楕円形の項甲板があります。背甲の色彩は灰褐色、淡黄色、黄褐色、褐色などと変異が大きく、黒や暗褐色の斑点や斑紋が入る個体もいます。

左右の肩甲板の継ぎ目の長さ(間肩甲板長)は左右の腹甲板の継ぎ目の長さ(間腹甲板長)に対し0.59~1と短いか同じです。背甲と腹甲の継ぎ目(橋)や腹甲の色彩は黄色や黄褐色で、左右対称に暗色斑が入る個体が多いです。

エロンガータの体

頭部はやや大型で、上顎は鉤状に尖り、先端が三叉に分かれます。額を覆う鱗(額板)は1枚ですが、不完全ですが2~3枚に分かれる個体もいます。頭部の色彩は黄白色や黄色、薄黄緑色で、四肢や尾の色彩は暗黄色や褐色です。

属、分布、飼育環境

名称 エロンガータリクガメ
インドリクガメ属
分布 インド北東部、カンボジア、タイ、中華人民共和国(広西チワン族自治区南部)、ネパール、バングラデシュ、ベトナム、マレーシア(マレー半島北部)、ミャンマー、ラオスなど
甲長 25~30㎝
飼育環境 湿度やや高め

エロンガータの生息地

サバンナ気候や熱帯モンスーン気候の丘陵や低山地にあるやや乾燥した落葉広葉樹林(主にサラソウジュやチークからなる落葉高木林)に生息しますが、竹林、草原などにも生息します。

雨季は活発に活動(特に雨季の始まりや雨が降った後)しますが、乾季は薄明薄暮性傾向が強くなります。日の当たらない林床に生息するためか強い光を嫌う傾向があり、あまり日光浴をしないようです。高温時には唾液で体を濡らし、気化熱により体温を下げます。

エロンガータの繁殖

主に乾季から雨季にさしかかる時期にオスは鳴き声をあげながらメスに近づき、頸部を上下に振ります。その後メスに体当たりし何度もメスに噛みつき、メスが動きを止めると交尾します。

雨季(雨季の最中および終わり頃)に1度に1~7個、最大9個の卵を年に1~2回産みます。年に2回産む場合は間隔が6~8週間空きます。卵は28~31.5℃の環境下で、96~165日後に孵化した例があります。

エロンガータの飼育環境

野生個体が多いため体内に寄生虫を持つ可能性が高いため、輸入直後の個体はやや高温と適切な湿度を維持した環境で飼育し、駆虫をしたほうがいいでしょう。また、自分より小さなカメを食べようとすることもあるので、同じケージでの飼育は避けましょう。

極度の乾燥に弱く乾燥させると床材やシェルターに潜り不活発になるため、全身が浸かれる水容器や湿った床材を敷いたシェルターなどを設置します。極度の高湿度でも雑菌が繁殖し、体調を崩しやすくなるためケージ内が蒸れないよう注意が必要です。

飼育の温度と食事

ケージ内の日中の適温は、26~30℃、夜間は26℃以上、湿度は70%以上で管理しましょう。急な環境の変化に弱く体調をくずしてしまうことになるので、特に幼体の飼育の際はケージ内の温度が下がり過ぎないように注意が必要です。

食事は植物食傾向の強い雑食で、果実、花、茎、根、葉、タケノコ、キノコ、陸棲の巻貝、動物の死骸などを食べています。雑食傾向もあるため肉などを少量与えても大丈夫ですが、葉野菜、果実などで育てたほうがいいでしょう。