パンケーキガメの甲羅
一番の特徴は背甲は極めて扁平という点です。成体でも背甲の甲板の間や腹甲中央部の甲骨板に隙間(多くのカメでは幼体は甲骨板に隙間がありますが、成長に伴い隙間が無くなくなります)があり甲板が薄いため、甲羅に弾力性があります。
属名Malacochersusは「柔らかい陸のカメ」の意味です。和名や英名(pancake)とパンケーキのように弾力性がある甲羅に由来します。扁平かつ弾力性のある甲羅は、狭い隙間に潜りやすくなるための適応と考えられています。
項甲板はやや大型で、縁甲板は左右に12枚(まれに13枚)ずつあります。背甲の色彩は黄色や黄褐色、褐色と変異が大きく、孵化直後からある甲板は濃色で暗褐色に縁取られています。
パンケーキガメの体
頭部は他のリクガメと比べると大きめで、四肢は頑丈で指趾には発達した爪が生えています。頭部や四肢の色彩は黄褐色です。
幼体は後部縁甲板の外縁が弱く鋸状に尖る個体もいます。メスは背甲が幅広く、甲高が高く、オスは腹甲がやや凹んだ個体が多く、尾の基部が太くて長く総排出口が尾の先端寄りにあります。
パンケーキガメの生態
標高約1,800メートル以下の丘陵や低山地にあるサバンナや乾燥した藪地、低木林などに生息し、乾燥して藪や有刺低木が点在し岩がある環境を好み、薄明薄暮性です。岩の下や岩の割れ目などを隠れ家としその周辺で活動し、1つの隠れ家に複数個体が同居する事もあります。
乾季になると隠れ家で休眠し、危険を感じると隠れ家に素早く逃げ込みます腹甲を膨らませ隠れ家内で四肢を突っ張ることで外敵から引き出されるのを防いだりします。また、垂直な割れ目を上り下りすることもできます。
パンケーキガメの繁殖
乾季を除いて周年交尾を行い、主に1~2月に交尾を行います。オスはメスを追いかけ、噛みつき、ひっくり返すなどして交尾を迫ります。7~8月に隠れ家の周辺にある地面に穴を掘り(隠れ家内に産む事もある)、1回に1個(まれに2個)の卵を産みます。野生下では卵は12月~翌1月に孵化します。
卵は初期発生初期時に低温により休眠し温度が上昇することで再び発生しますが、ある程度の期間をおけばほとんどの胚で発生が再開します(後者の場合は孵化にかかる期間が長期化します)。そのため飼育下では卵が140~300日で孵化した例があります。
パンケーキガメの飼育
本来は、岩場などに隠れて生活しています。敵に引きずり出されないように甲羅を膨らませることが出来るように、甲羅は軟らかく、柔軟に出来ています。なのでシェルターは、幅が広く高さも低い安心して暮らせるようなものを用意してあげましょう。
平らな場所ばかりではなく、高低差のある場所も動き回るのが好きな場合もあります。そういう場合は、レンガや石などを崩れないように組み立てて運動をさせてあげると良いでしょう。ケージの端にあるとケージから逃げ出してしまうので真ん中に置くといいでしょう。
ケージ内は、24~30℃を保ち、やや乾燥気味にします。食事は野菜や野草を中心に与えましょう。