リクガメの飼い方
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ヒョウモンガメ

繁殖期にはひっくり返し合うくらい激しく戦う、恋に盲目な恋愛体質のヒョウモンガメ。

ヒョウモンガメの甲羅

背甲はドーム状に盛り上がっており、甲板は孵化直後からある甲板周辺に成長輪が明瞭で、初生甲板を中心に盛り上がる傾向があり、項甲板がありません。縁甲板外縁は尖らず、前端と後端がやや張り出してわずかに反り返っています。

左右の第12縁甲板は癒合しています。背甲や腹甲の色彩は黄色や黄褐色、褐色で、背甲には初生甲板を除いて黒や暗褐色の細かい斑紋が入っています。種小名pardalisは「ヒョウ(豹)の」の意で、背甲に入る斑紋に由来し和名や英名(leopard=ヒョウ)と同義です。

この模様は草原では保護色になると考えられています。 背甲と腹甲の継ぎ目(橋)は幅広く、2枚の腋下甲板と1枚の鼠蹊甲板があります。 腹甲はやや大型で、喉甲板は突出せず、分厚く、左右の肛甲板の間には深い切れ込みが入っています。腹甲には不規則な暗色斑が入る個体もいます。

ヒョウモンガメの体

頭部はやや小型で、吻端は突出していません。上顎の先端は鉤状に尖り三又。前額板は大型で1~2枚で、額板がありません。前額板を除いて頭部は不規則な小型鱗で覆われています。

前肢前部はやや尖った大型鱗が3~4列に重ならずに並んでいます。後肢と尾の間には2~3個の先端が丸い大型鱗が並んでいます。頭部や頸部、四肢、尾の色彩は黄褐色や淡黄色です。

孵化直後の幼体は背甲の暗色斑が規則的だが、成長に伴い細かく複雑になり全体的に暗色化します。幼体は腹甲の甲板の継ぎ目(シーム)やその周辺が暗色の個体が多いようです。

オスとメスの違い

メスはオスに比べると背甲が幅広く甲高が高いです。オスの成体は第12縁甲板の外縁が下方や内側へ向かい、腹甲の中央部がわずかに凹み左右の肛甲板の間の切れ込みが浅い弧状です。尾がより太いうえに長く、尾を甲羅に収納した状態でも先端が第10~11縁甲板や後肢に達します。

メスの成体は第12縁甲板の外縁が後方に突出し、腹甲の中央部は凹まず左右の肛甲板の間の切れ込みがより深くなっています。尾がより細いうえに短く、尾を甲羅に収納した状態では先端が第11縁甲板に達しません。

属、分布、飼育環境

名称 ヒョウモンガメ
ヒョウモンガメ属(ヤブガメ属とする説もあり)に分類されるカメ。
本種のみでヒョウモンガメ属を構成し、以前は、リクガメ属でした。
分布 アンゴラ南西部、ウガンダ、エチオピア南部、ケニア、ザンビア東部、ジブチ、ジンバブエ、スーダン南部、スワジランド、ソマリア、タンザニア、ナミビア、ボツワナ、マラウイ、南アフリカ共和国、モザンビーク南部、レソト
甲長 50~70㎝
飼育環境 乾燥気味に

ヒョウモンガメの生息地

主にサバナ気候やステップ気候で標高3,000メートル以下にあるイネ科の草本や低木からなる草原、サバンナ、乾燥林、有刺植物からなる低木林などに生息しています。

標高3,000メートルの高地に生息することから南アフリカ共和国ではMountain tortoiseとも呼称されるが、山地の斜面や森林、極端に乾燥した環境は好みません。行動圏は広く、行動圏を変える場合には20~50キロメートルの移動を行うこともあります。

乾季になると不活発になります。温帯域に分布する南部個体群は冬季になると茂みや岩、倒木の下、シロアリの古い蟻塚、他の動物などで休眠しますが、気温が上昇すると日光浴をした後に活動することもあります。

ヒョウモンガメの繁殖

繁殖期になると他個体に体当たりして、ひっくり返し争います(特にオス同士で顕著だが、オスがメスに交尾を迫る際やメスがオスを拒絶して争うこともあります)。

オスはメスを追跡し体当たりし、メスが動かなくなると鳴き声をあげながら交尾します。夏季や雨期に10~30㎝の穴を掘り、1回に5~30個の卵を年に5~7回に分けて産みます。産卵の間隔は3週間から1か月です。卵は178~485日で孵化します。

ヒョウモンガメの飼育

性格が穏やかで飼いやすいのですが、成長すると市販のケージなどでは飼えない大型のリクガメです。大型のリクガメ用のシェルターは市販では入手しにくので、簡易なものでもいいので、成長に合わせて用意してあげたほうが安心して休眠することが出来ます。

風通しの良い乾燥した環境で飼育しますが、冬などの乾燥のし過ぎには、注意が必要です。日中の温度は28~32℃、夜間は、28℃以上に設定します。

ヒョウモンガメの食事

食性は植物食で、草、木の葉花、果実、多肉植物、キノコなどを食べます。大型哺乳類の骨を齧っていた例もあります。天敵はミナミジサイチョウです。

食事は、草食が基本なので、繊維質の多い野菜や野草を中心に与えましょう。水分の過剰摂取や繊維質の少ないエサは便がゆるくなるので注意しましょう。