キアシガメの甲羅
メスよりもオスの方が大型になります。背甲はドーム状に盛りあがります。側面は平行で、上から見ると細長く、後部縁甲板の外縁は弱く鋸状に尖っています。
種小名denticulataは「鋸歯状の、細歯状の」の意で、縁甲板の突起に由来しています。背甲の色彩は暗褐色で、孵化直後からある甲板(初生甲板)周辺は黄色や橙色ですが老齢個体では明色部が消失する事もあります。
腋下甲板と鼠蹊甲板の大きさはほぼ等しく、左右の肩甲板の継ぎ目の長さ(間肩甲板長)は、左右の股甲板の継ぎ目の長さ(間股甲板長)よりも長いです。腹甲の色彩は黄色や黄褐色で、甲板の継ぎ目(シーム)周辺は暗褐色です。
キアシガメの繁殖
繁殖形態は卵生。コロンビアの個体群は8~翌2月に卵を産むが、多くの地域で周年交尾や繁殖を行います。発情したオスは他個体の横に並び頸部を動かし挑発した後に、他個体が同様に頸部を動かすと甲羅の側面に体当たりしてひっくり返して争います。
オスは挑発に応じない個体の総排泄口周辺の匂いを嗅いで性別や成育状態を確認し、メスであれば後方から上に乗り交尾を迫ります。メスが交尾を拒否して逃げた場合は、追いかけて頭部や四肢に噛みつき動きを止めてから交尾を行います。
1回に1~20個(主に4~8個)の卵を年に数回(飼育下では6回に達した例もあり)に分けて産みます。地面に穴を掘って卵を産んだ後に埋めることが多いのですが、地面に直接産んだ卵が地面から露出した状態の場合もあります。卵は4~5か月で孵化しますが、飼育下では4か月未満で孵化した例もあります。
キアシガメの飼育ポイント
大型化し動きも活発なため、広大な飼育スペースが用意できないご家庭での飼育には向かないでしょう。乾燥に弱く、空気湿度が低い環境では成長不良や便秘、尿管結石を引き起こす可能性があります。
ケージ内が乾燥しないように、常に多湿を保つことが大切になります。飼育の適温は、26~30℃を目安にします。夜間も26℃以上で管理しましょう。アカアシガメよりも高湿度で飼育したほうがいいでしょう。
本来はかなり雑食性が強いので肉なども好んで食べるようですが、野菜や野草を中心とした食事をしたほうがいいでしょう。