リクガメの飼い方
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交尾から産卵、孵化の用意まで

交尾から産卵・孵化の用意。難しい繁殖を成功させるためにもしっかり準備しよう。

複数のペアで確率アップ

リスクを理解したうえでそれでも繁殖させたい場合は、オスとメス1匹ずつのペアよりオスメス複数飼いのほうがうまくいく確率が高くなります。

1匹のメスにオスが集中しないように、たとえばメス4匹に対してオス2匹くらいいたほうがいいようです。もちろん、この場合ある程度の飼育スペースが必要になります。オス同士はケンカをして怪我をすることもあるので、一緒にしている時は目を離さずケンカが起こりそうな時はすぐ隔離するなど気をつけて下さい。

産卵床を用意しよう

リクガメの大きさに合わせて産卵床を用意します。ベビーバスや深めの衣装ケースなどに園芸用の土をたっぷり入れます。腐葉土や培養土などがブレンドされ適度に締め固められた土を使いましょう。深さは、小さな個体なら15センチ以上、大型のリクガメなら甲長と同じかそれ以上の深さが必要です。

次に土を軽く湿らせます。リクガメのメスは産卵する時、尿で土を踏み固めながら器用に穴を掘りますが、土が固すぎると掘れませんし柔らか過ぎると土が崩れてきてうまくいきません。水分を吸収しても崩れて来ない土を選んで下さい。

寒い時期なら土の表面を保温ライトやホットスポット用ライトで温めます。土の下からもフィルムヒーターなどで温めてリクガメがいつでも入れる温度にして置きます。保温すると土が乾燥しやすいので気をつけましょう。

リクガメの産卵は長期戦

小型のリクガメなら自由に産卵床に入れる状態にしておき、大型のリクガメなら足をもぞもぞさせる、穴を掘る様子を見せるなどのサインが見られたら産卵床に入れます。産卵床に入ってもすぐ産卵するとは限りません。穴も掘らなかったり、何時間もかけて掘っても途中でやめて寝てしまうこともあります。長期戦を覚悟しておいて下さい。

成熟すると、無性卵でも1年に何度か産卵します。ですからメスを飼っていると産卵床の準備は常に必要です。また産卵回数や卵の数は種類や個体によりまったく異なります。よく下調べしておきましょう。

孵化は準備が決め手

日本の環境下では自然に孵化することはできないので、人工的な孵化場所を作るか、人工孵化器を使って孵化させます。ケージの中に、バーミキュライトなどの砂を卵が埋まるくらいの深さに入れた孵化容器を入れ、保温球と湿度計を設置しておきましょう。フタは外部からの虫や異物の侵入などを防ぐために必要ですが、卵も呼吸をしているので密閉しないものを選んで下さい。

卵を産卵床から慎重に取り出します。この時、卵の上下が分からなくならないようにマジックなどで印をつけておきます。卵の上だった方を上にして孵化容器に3センチ間隔で埋めていきます。全体をすっぽり埋めるのでなく、砂にくぼみをつけておいてくぼみに乗せるような感じで置きます。温度は27~30℃で管理します。