リクガメの飼い方
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卵からの孵化と幼体の飼育

無事に孵化するには様々な条件が必要。孵化する前も、孵化してからも慎重に扱おう。

卵の扱いは慎重に

まず、産卵された卵を産卵床から孵化床に移すとき上下を間違えないように気をつけましょう。胚が形成されていない初期の段階なら卵をひっくり返しても悪影響はありませんが、胚が形成されるとリクガメの卵には鶏卵のようなカラザ(殻座)がないため胚を固定することができません。それで卵をひっくり返したりしょっちゅう触ったりしていると孵化できなくなる恐れがあります

また卵の中で胚が形成されると酸素が必要になります。ですから孵化器を密閉してしまわないようにしましょう。また卵の中の仔ガメは二酸化炭素濃度の上昇を引き金として殻を破り孵化します。孵化器内の酸素がなくなると、予定より早く孵化してしまう、孵化途中で死んでしまう、孵化しても奇形だったり虚弱体質ですぐ死んでしまう、などのケースがあります。換気をしすぎても卵が乾燥してしまいます。適度な通気性と温度、湿度を保って下さい

じっくり孵化を待とう

普通は70日~120日で孵化します。それ以上たっても孵化しない場合は取り出してペンライトの光で透かしてみます。中身が降りていれば孵化が遅れているだけなのでそのままにします。中心にある場合は、無性卵か中止卵なのでそこで中止します。

孵化後の栄養バランス

孵化した仔ガメは専用ケージに入れます。このとき生まれたときの卵の殻も一緒に入れておきます。仔ガメの貴重なカルシウムになります。たいていは2~3日のうちにエサを食べ始めますが1週間くらい食べない仔ガメもいるようです。孵化した時のヨークサック(お腹についた栄養の入った袋)が完全に体に吸収されると食べ始めるという場合が多いようです。

エサは成体と同じような葉野菜を与えます。量は甲羅の大きさくらいで食べやすいように細かく切って与えます。回数は1日2~3回、十分に食べさせましょう。この時期の仔ガメには特にカルシウムとビタミンが必要です。カルシウム不足やタンパク質の過剰摂取はソフト・シェル(甲羅の軟化)を引き起こします。家で孵化させた仔ガメは特にソフト・シェルになりやすいので栄養バランスに気をつけましょう。

飼育は成体と分けて

リクガメには親子という認識はありません。悪意はなくても、成体が仔ガメを踏みつけたり噛んだりする恐れがあるので、ある程度大きくなるまでは仔ガメは成体と分けて飼育します。孵化しても2~3日は孵化時と同じ温度環境にしておきましょう。そのあと徐々に、成体と同じような種類ごとの環境に移行していきます。

ケージは安全、清潔、管理しやすいことを心がけて下さい。床は汚したらすぐ取り換えられるようなものがいいかもしれません。