ロシアリクガメの形態
背甲は扁平で腹甲には蝶番がありません。前肢は頑丈なシャベル状で穴を掘ることに適しています。もちろん前肢の指は4本です。
アフガニスタンヨツユビリクガメは背甲は甲高が高く、丸みを帯びています。背甲の色彩は暗黄色や黄褐色、淡黄色など。背甲の暗色斑は不明瞭もしくは斑紋がない個体が多いです。
カザフスタンヨツユビリクガメは背甲は扁平で幅広く、前縁と後縁が直線的で角張っており頂部は平坦です。背甲の色彩は明黄色や薄黄緑色などと変異が大きく、孵化直後からある甲板(初生甲板)とその周囲は暗色で、成長に伴い形成された甲板は暗色斑がないかあっても小型です。
ロシアリクガメの生息地
岩石砂漠やステップなどに生息し、農耕地などにも生息しています。長さ3~4メートル、深さ1メートルに達する穴を掘ることもあり、その中で北部や高地に分布する個体群は冬季に、南部や乾燥地帯に分布する種は夏季に休眠します。夏季も冬季も休眠し、年間を通して3か月しか活動しない個体群もいます。
食性は植物食で、植物の葉、花、果実などを食べ、繁殖時には1回に3~5個の卵を産みます。
人間とロシアリクガメ
以前はチチュウカイリクガメ属に含まれていましたが、その後の調査でチチュウカイリクガメ属よりも、インドリクガメ属やパンケーキガメ属、ヘルマンリクガメ属の方が近縁で単系統群を形成すると推定されています。
自然化では牧草や農作物を食害する害獣とみなされることもあるため害獣として駆除されることがあり、また生息地の破壊や薬用やペット用の乱獲などにより生息数は減少しています。
ロシアリクガメの飼育
飼育環境に慣れてくれば丈夫で飼いやすい種類です。ただ、多湿を嫌うので風通しの良い環境での飼育が好ましいです。穴を掘って隠れる習性があるので、シェルターは必ず用意してあげましょう。日中の温度は26~30℃、夜間は26℃以上が好ましいです。
ただ、元々の分布範囲が広いため適温が個体により違うので、自分の飼っている個体に合わせてあげるようにしましょう。多湿には弱いので風通しの良い所で飼育しましょう。