リクガメの飼い方
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ケヅメリクガメ

砂漠やサバンナに棲む乾燥を好むリクガメ、日本で流通するのは主にCB

甲羅の特徴

甲板には成長輪が発達します。種小名sulcataは「溝がある、筋がある」の意で、成長輪に由来します。第2~4椎甲板の頂部はやや平坦で、縁甲板の外縁は鋸状に尖っていますが、老齢個体では不明瞭な個体もいます。

また、背甲の色彩が色白でコブが出にくいモロッコタイプと、コブの出やすい色黒のガーナタイプがいます。甲板の継ぎ目(シーム)はやや暗色で、孵化直後の幼体では明瞭だが老齢個体では不明瞭です。喉甲板が突出しています。

頭部はやや小型で、吻端が突出せず、後肢と尾の間に蹴爪状の突起があり、和名や英名(spurred=拍車のある、蹴爪のある)の由来になっています。尾の先端は小型鱗で覆われています。幼体は背甲がドーム状に盛り上がっていますが、成長に伴い扁平になります

属、分布、飼育環境

名称 ケヅメリクガメ
リクガメ属
分布 エリトリア、エチオピア、スーダン、セネガル、ソマリア、チャド、ニジェール、マリ共和国、ブルキナ・ファソ、ベナン、モーリタニア
甲長 70㎝
飼育環境 日本の気候よりやや乾燥気味に

ケヅメリクガメの生態

砂漠の周辺やサバンナに生息します。主に薄明薄暮性で、昼間や夜間は自分で掘った穴、他の動物の巣穴もしくはそれを拡張した巣穴の中で休んでいます。乾季になると巣穴の中で休眠することもあります。

食性は植物食で、主にイネ科の植物、多肉植物を食べますが、草、低木の葉、花、果実なども食べます。野生下では水がある期間が限られた環境に生息しているため、食物や代謝によって生じた水分を摂取します。

ケヅメリクガメの繁殖

成体のオス同士では体当たり、噛みつく、ひっくり返すなどして争い、飼育下ではオスがメスの総排泄孔の臭いを嗅ぎながら追跡した後にメスの周囲を徘徊、体当たりし、メスが動かなくなると鳴き声をあげながら交尾を行った例があります。

飼育下では1回に平均15個(最大34個)の卵を年に最大6回に分けて産んだ例があります。卵は約28℃の環境下で120~170日、約30℃の環境下で85~100日で孵化した例があります。

人間とケヅメリクガメ

野焼きや開発による生息地の破壊、乾燥化、食用やペット用の乱獲などにより生息数は激減していると考えられています。現在では厳しく制限されています。

ペットとして人気があり飼育されることもありますが、日本に輸入されている個体は国際取引が可能な飼育下繁殖個体(CB)のみとなっています。

ケヅメリクガメの飼育

販売されているのは、5㎝ほどの幼体ですが、運動量も多く成長が早いので、直ぐに広いスペースが必要になります。大型化するため数畳分の乾燥したスペースおよびその保温設備を用意できない限り、飼育は勧められません。

高温でやや乾燥気味にして、日中の温度は、やや高めで28~32℃、夜間は26℃以上にします。食事は、野菜や野草を中心にバランス良く与えることが基本ですが、丈夫な甲羅にするためには、カルシウムが豊富に含まれている野菜などの摂取や日常的な日光浴はかかせません。繊維質の多い野菜類の摂取や、カルシウム粉末などを少量エサに振りかけてカルシウム不足に注意しましょう。