インドホシガメの甲羅
オスよりメスの方が大型になります、オスは甲長20㎝以上になることはあまりありません。スリランカの個体群は周年植生の豊かな環境に生息するため大型化するとされています。背甲はドーム状に盛り上がり、上から見るとやや細長く。背甲の頂部は盛り上がっています。野生下では孵化直後からある甲板(初生甲板)が盛り上がります(野生個体では不明瞭な一方、飼育下では顕著に盛り上がる個体もいる)。
背甲の色彩は黒や暗褐色で、椎甲板や肋甲板ごとに放射状に灰褐色や黄褐色の斑紋が入っています。この放射状の斑紋が星の様に見えることが、和名や英名(star=星)の由来になっています。種小名elegansは「優雅な」という意で、背甲の斑紋に由来すると考えられています。
椎甲板や肋甲板に入る放射状の斑紋の数は6~12で、縁甲板には放射状に灰褐色や黄褐色の筋模様が1~4本入ります。腹甲の色彩は黒や暗褐色で、甲板ごとに放射状に灰褐色や淡黄褐色、黄褐色の斑紋が入っています。
インドホシガメの生態
主に乾季と雨季が明瞭な標高200m以下にある環境に生息し、インド南東部ではサバンナや藪地、インド西部とパキスタン南東部では砂漠の周辺にあるステップや藪地、スリランカではサバンナや熱帯雨林に生息しています。食物があれば前述した環境を開発した畑、牧草地、プランテーションにも生息します。
食性は植物食で、主に草、木の葉、多肉植物、果実、花などを食べるが、陸棲の巻貝、動物の死骸、家畜の糞などを食べた例もあります。
インドホシガメの繁殖
繁殖形態は卵生で、繁殖期にオス同士が出会うとお互いに体当たりをして争います。雨期に交尾を行い、交尾から産卵まで90日かかることもあります。1回に1~10個の卵を年に2~4回に分けて産み、年に23個の卵を産んだ例もあります。
土壌が堅いため雨期に産卵し、後肢で地面に10~15センチメートルの穴を掘ってその中に卵を産みます。卵は主に110~150日で孵化しますが、約50日で孵化することもあります。これは発生が完了しても周囲の環境が孵化に適するまで幼体が卵の中で待機するためで、雨期になると孵化した幼体が一斉に地表に現れることもあります。
人間とインドホシガメ
カボチャなどを食害する害獣とみなされることもありますが、その一方で住民から餌をもらって食べていたり、野菜の残飯を漁る個体もいます。食用とされることもありますが、一部の民族によって自家採集のみで一般的ではありません。
都市や農地開発、伐採による生息地の破壊、ペット用の乱獲などにより、生息数は減少しています。分布する3国ではワシントン条約を批准しているため、1980年代には生息地からの正規輸出はほぼ停止しています。
インドホシガメの選び方
星型の模様の美しさやドーム型の甲羅の愛らしさから特に人気の高いリクガメです。購入するときは、ピンポン玉サイズの小さな幼体はなるべくなら避けて、100g以上に育った幼体を選んだほうが、体力があり、環境の変化にも対応しやすいでしょう。
特に幼体時の湿度管理には注意が必要です。気を付けないと呼吸器系の病気を発症する原因となります。
インドホシガメの飼育
ホシガメは、主に熱帯モンスーン気候の乾季や雨季棲息しているのでケージ内は、適度な通気と温度設定を心がけましょう。ケージ内の蒸れにはくれぐれも注意が必要です。
日中の温度は26~32℃、夜間は26℃以上、湿度は70%以上を心がけましょう。食事は、自然下では雑食傾向がありますが、飼育下では、野菜と野草で育てましょう。